④菅首相の海洋放出方針は国民に対し正直に説明していません

 2021年4月13日に国民向けに発表された菅首相の2023年福島原発事故処理水海洋放出方針文書には、「公衆や周辺環境の安全を確保するため、海洋放出は、東京電力がICRPの勧告に沿って定められている規制基準を厳格に遵守するとの前提の下、国際慣行に沿った形で実施する」と明記されています。

 しかし、ここでいう「ICRPの勧告に沿って定められている規制基準」は、ヒトを防護対象とした従来の基準であり、「周辺環境の安全を確保するため」のヒト以外の生物種そのものを防護対象とした基準ではないことは明確です。

※東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針:(2.(3)②)https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/alps_policy.pdf#page=9

海洋放出に際する「ヒト以外の生物種」を対象とした環境防護については、本来、前述の2029年以降にICRP新主勧告が発表されてから、それに沿って法的根拠に基づいて原子力規制委員会が我が国の環境防護の新規制基準を策定した上で行われるのが法的な手順です。

 しかし、菅首相の2023年海洋放出方針は、行政上、2029年以降のICRP新主勧告に基づいて我が国の環境防護の新規制基準が策定されるまでの間は、法的根拠に基づかず不祥事だらけの東京電力に環境保全の権限を総理大臣権限で与えたことを意味します。

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